2012年6月23日土曜日

『Zaga-33』レビュー

プレイ量: クリアまで




もともと今年の7DRL*1で作られたうちのひとつで、7DRLが終わった後もちょくちょく開発が続けられmac版とiOS版もリリースされた。
操作は説明がいらないほどシンプル。管理するリソースをHPとアイテムに限定しランダムな要素も極力廃したことによって、一挙手一投足をどれだけダンジョンに最適化できたかどうかがシビアに結果へ反映され踏破階数となって表れる。プレイの感覚は、不思議のダンジョンシリーズで、アイテムでしのぎながらひたすら階段即おりしているときの気分に近い。 不用意な1歩で招く窮地、倒れてから後悔する物資の出し惜しみ。そんな失敗を何度も繰り返すことで培われていく判断力が乱数の偏りと噛み合って、未踏の深層にスーっと行けたときの気持ちよさと緊張感というローグライクの醍醐味のひとつを、ミニマルな構成にすることで抽出し味わわせてくれる。『Zaga-33』は、『Rogue』から連綿と続くローグライクの本流ともいえるダンジョンサバイバルをより純化したゲームといえるだろう。1ドルかかるけど気軽に遊べる点でiOS版がおすすめ。
iPhone向けのローグライクといえば、『POWDER』や『NetHack』などの有名どころだったり不思議のダンジョンシリーズをインスパイアしたようなものだったりがいくつも出ているけれど、どれもプレイしてみてしっくりこない(数はそんなにこなしていないのでいいのがあったら教えて欲しい)。その1番の原因はタッチ操作とローグライクの相性の悪さで、キーボードやゲームパッドを前提に作られたUIをそのままスマートフォンに持ち込んだ結果、テンポを削がれたプレイを余儀なくされてしまう。その点から『Zaga-33』を見ると、移動とアイテム使用のみに操作が絞られるのと、そもそもテンポが良く進みたい場面が存在しないつくりなので気にならない。スマートフォンにおけるスタンダードが確立されていない現時点においてもっともおすすめなローグライクなのは間違いない。




*1:定期的開催されている1週間でローグライクを作るという企画。今年のゲーム総数は60を越えた。


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